theの使い方(第7巻)



ハリーポッターの最終巻、Harry Potter and the Deathly Hallows(ハリーポッターと死の秘宝)の最初の2パラグラフで出てくるtheの使われ方について解説します。

まず、the というのは「その」と訳されることが多いですが、その意味を(イメージ英語の権威である)大西泰斗先生は「1つに決まる」と表現しています。
つまり、「何を指しているか相手が認識している」ということですね。

2パラグラフ目にこういう文章があります。

‘News?’ asked the taller of the two.
「ニュースは?」と、二人のうち背の高い方が聞いた。(ロイ訳)


the two というのは the two men のことですね。
2人の男がいるということは既に「了解されている」情報ですから the がつきます。

そして、注意して欲しいのは the taller ですね。

普通は He is the tallest. などのように、最上級であれば the を付けるということは有名ですが、このように比較級に the がついていると「あれ?」と思うかもしれません。

これはですね、2人の男がいたときに、背の高い方、低い方というのはそれぞれ1人ずつしかいませんよね。
ですので「1つに決まる」から the を付けているのです。


もう1つの the は、一番最初の文章です。

The two men appeared out of nowhere…
「その二人の男はどこからともなく現れた・・・」(ロイ訳)


の the two men です。

本の一番最初ですから、「いきなり the two men と言われても・・・」と、もしかすると思われるかもしれません。

ですが、これは小説などでよく使われる手法なんです。

どういうことかといいますと、新しい情報には確かに the は付けません。(1つに決まらない限り、付けない場合が多いです。)

ですが、そうやって文章を書いていってしまうと

Once upon a time, there was an old man…
「昔あるところに、おじいさんがいました・・・」

などのような文章になってしまいがちです。

子供向けの昔話ならそれでも良いかもしれませんが、小説としては退屈ですよね。

そこでいきなり the を使って、相手が知っているという前提で話を始めてしまうのです。
それによって、読者はまるで自分がその場にいるような臨場感を味わえるのです。

コメント欄